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なぜ今、囲碁なのか
囲碁といえば高齢者の遊び――そのようなイメージを持つ方も多いでしょう。「囲碁ぉ? あれでしょ、「サザエさん」で波平さんが打ってるやつでしょ!」――たしかに。
しかし、世界の囲碁人口はおよそ4000万人いると推定されています(日本棋院HPより)。なかでも中国と韓国は囲碁が盛んです。中国では子どもの習い事トップ3に入るほど人気と言われ、韓国では国策として囲碁を教育プログラムに取り込んでいるそうです。
なぜなのか。 その理由の一つに、囲碁の捉え方の違いがあります。日本では囲碁を「伝統文化」と捉えるのが一般的です。しかし、中韓など海外では囲碁を「(頭脳)スポーツ」と捉えるのが普通のようです。実際、2023年に行われたアジア競技大会では、柔道や水泳などと並んで囲碁が競技種目となっていました(ちなみにチェスもです)。
子供に柔道や水泳を習わせる場合、親は主に子供の身体能力の向上を期待するでしょう。同じように、中韓では頭脳スポーツとしての囲碁を子供に学ばせることで、「頭がよくなること」を期待しているようです。私自身、実際に碁を打ってみて、囲碁では様々な力が求められることが分かりました。たとえば、
・先を読み、論理的に考える力
・細部にとらわれない大局観
・うまく行くかどうか分からないなかでも勇気を出して打ってみる積極性
・長い時間盤面に注意を注ぎ続ける集中力
・こんな手試してみようかなといった発想力やひらめき
・自分だけ得をするのではなく相手にもいくらか与えることを許すバランス感覚
・対局してくれる相手に対する礼儀
などなど。囲碁の効能については科学的な研究もあります(2007川島隆太https://www.nihonkiin.or.jp/teach/kounou/)。こんなこともあって、日本でも現在、経営者の方が碁を学んだり、大学で碁の講義が行われたりしています。
「賢くなること」に加えて、囲碁はそれ自体優れたコミュニケーションツールでもあります。囲碁は世界数十カ国で打たれていますが、現代ではインターネットで碁を打つ「ネット碁」によって、世界中のプレイヤーと遊び、楽しむことができるようになりました。もちろん対面でも、囲碁を使えば、言葉の壁を越えて外国人とコミュニケーションをとることが可能です。囲碁はグローバルな時代にもってこいのコミュニケーションツールだと言えるでしょう。
言葉の壁だけではなく、年齢の壁も囲碁は越えます。先日、82歳差のプロ公式戦が実現したとニュースになりました(97歳の杉内寿子八段と14歳の張心治初段)。今、「じいじ」や「ばあば」と遊ぶとなったら、子供は何をして遊んだらよいのでしょう。任天堂スイッチやyou tubeを一緒に楽しむこともできるかもしれませんが、どうせやるなら、体への負担が少なく、脳トレにもなる囲碁で遊んでみてはいかがでしょうか。
囲碁は「性別も年齢も 家柄も国籍も 外見も年収も 過去も何もかも全部 関係ない」ゲームなのです。
ここまでは、囲碁の効能やコミュニケーションツールとしての側面をお話しましたが、囲碁をめぐる今の社会背景についても触れておきましょう。
今年は草彅剛さん主演の映画『碁盤斬り』の公開(5月)や、大ヒット漫画「ヒカルの碁」の舞台化(7月)、そして棋士の一力遼九段が国際メジャー棋戦で日本勢19年ぶりとなる優勝を飾る(9月)など、日本の囲碁界が盛り上がる出来事が数多くありました。さらに、日本棋院のネット碁サイト「幽玄の間」では、プロ棋士やアマチュア全員を対象として、19路盤で打てるなら棋力に関係なく誰もが参加できる巨大なリーグ戦がスタートしました。碁を始めればいつでもライバルが見つかる環境が整ったのです。一般企業では、囲碁の効能やコミュニケーションツールとしての有効性に着目して、あの「公文式」が10月から囲碁学習プログラムを提供し始めました。
こうした背景もあって、日本では密かに囲碁がブームになりつつあります。碁を始めるには絶好のタイミングなのです!
さあ、もう十分でしょう(笑) みなさん一緒にLet’s 碁!